LINEMO地下鉄、地下空間で電波は悪い?
LINEMOは地下鉄路線や電車内、地下空間でも、多くのエリアが高速データ通信の範囲内となっています。
4G通信の人口カバー率99.9%を発表しており、サービスエリアマップにて高速データ通信が利用可能なエリアを確認することが可能です。
しかし、ビルの地下や地下鉄の駅構内などでは、屋外からの電波が届きづらいことがあります。そのため、地下では電波が悪い箇所は存在します。
電波はコンクリートや鉄骨などの障害物の影響で減衰する性質を持っています。
そのため、地下や高層ビルの奥では電波が十分に届かないケースがあり、LINEMOでも通信に影響が生じます。
サービスエリア内であっても、トンネル、地下、建物の中、山間部などの電波の弱い場所や境界付近では、ご利用になれない場合があります。
なお、電波が強くアンテナマークが最強になっている場合で、移動せずに使用している場合でも通話・通信が切れる場合があります。
地下は電波対策をしているので基本は繋がる
地下鉄や地下街でのご利用は、ソフトバンクが電波対策をしているので通信可能な場所は多いです。
ソフトバンクが地下で電波問題を解決するために、地下鉄などで電波を漏らしてエリアを構築する「光中継方式(漏えい同軸ケーブル)」や、多数のアンテナを設置する「光中継方式(アンテナ工法)」、そしてトンネル出口から電波を「吹き込む」方式を用いています。
地下鉄で繋がるのはプラチナバンドが使えるから
LINEMOは、ソフトバンクのプラチナバンド(主にBand 8、900MHz帯)を使用しており、地下や建物内で電波が届きやすい特性を持っています。
プラチナバンドは周波数が低く、障害物を回り込む力が強いため、従来の電波よりも室内や地下での通信品質の向上に貢献します。
プラチナバンドは波長が長いため障害物を回り込みやすく、屋内や地下鉄でも快適な通信を実現できるのが最大の強みです。
プラチナバンドが地下で強い理由
- 波長が長い=回折性が高い
- 屋内・地下での電波到達性が高い
- 基地局1局で広いエリアをカバーできる
日本の都市部や郊外では、特に屋内や地下空間・山間部での通信安定性に悩まされる場面が多いため、プラチナバンドの使用有無によるエリア差は非常に大きいです。
基地局の設置数が限られても、広範囲をカバーしやすく、整備コスト削減にも寄与しています。
【日本国内主要キャリアが確保するプラチナバンド】
事業者名 | 周波数帯(MHz) | 対応バンド |
---|---|---|
ドコモ | 800 | Band 19 |
au | 800 | Band 18/26 |
ソフトバンク | 900 | Band 8 |
楽天モバイル | 900 | Band 8 |
地下鉄でも混雑時は繋がりにくい
ラッシュ時の地下鉄、地下駅構内は、同じ時間帯にたくさんの人が集中して通信を行うため、その場所をカバーしている基地局の処理能力を超えてしまうことあります。
そのため、電波がつながりにくくなったり、通信が遅くなることがあります。
また、混雑している地下鉄電車は安定した電波が届きにくい上に、電車が動いている最中は電波をキャッチしにくくなります。
仕事に行くひと・帰るひとが集中する時間帯の地下鉄は電波が極度に悪くなります。
巨大ターミナル駅の地下空間は繋がりにくい
巨大なターミナル駅で電波が悪くなる主な理由は、「狭い範囲に多くの人が集中すること」と「地下構造物などによる障害物」です。
この2つが組み合わさることで、電波が悪い状況が生まれます。同じ地下でも人が集中していなければプラチナバンドで繋がりやすいですが、電波が届きにくい地下で人が集中することにより繋がらない状況が起きやすくなります。
特に平日の通勤・通学ラッシュ時には、利用者が増えることで回線が混雑し、通信速度が低下したり、電波が途切れたりします。また、地下鉄や駅構内、地下街などでは、電波が届きにくくなるため、通信が不安定になることがあります。
【巨大ターミナル駅の事例】
項目 | 内容 |
---|---|
新宿駅 | 「1日の乗降客数がギネス記録を誇る」と紹介されており、日本最多の乗降客数を誇るターミナル駅とされています。 |
大阪梅田駅 | 2023年3月のJRの地下ホーム増設により、新宿駅を抜いてプラットホーム数が日本一になったと報じられたことがあります。 ただし、東京駅や新宿駅も各社・各路線を合計すると多くのホームがあり、ホームの「数」という点で総合的に日本一の駅とされています。 |
京都駅 | JR線、新幹線、地下鉄、近鉄など複数の鉄道会社が乗り入れており、30番台のホームを持つなど、番線の規模でも日本を代表するターミナル駅です。 |
トンネル内で電波は繋がる?
トンネル内では、物理的な制約により通信が難しくなります。
トンネルは、厚いコンクリートや土によって構成されており、電波が遮断されやすい環境です。
そのため、トンネル内でのLINEMO通信は不安定で、通信速度が低下したり、接続が途切れたりすることが多くあります。
最近では、一部のトンネル内に通信設備が整備されつつありますしかし、現時点では依然として接続が難しい区間が残っているのが実情です。
地下・トンネルの電波対策
地下鉄は、文字通り地下の遮られた空間なので、屋外にあるような大きな基地局は設置できません。
地下・トンネル内で使われる基地局は、設置場所の特徴により工法を使い分けて設置されています。
項目 | 内容 |
---|---|
吹き込み方式 (長さが短いトンネルなど) |
トンネルの出入り口近辺に、無線設備やアンテナなどを設置して、トンネル内に電波を吹き込みます。 |
光中継方式:漏えい同軸ケーブル工法 (地下鉄などの駅間) |
一定間隔で電波を放出する窓(スリット)の空いたケーブルを設置し、そのスリットから電波を“あえて”漏らすことで、長く張られた1本のケーブル全体をアンテナにする工法。 |
光中継方式:アンテナ工法 (地下鉄などのホームや、地下街など) |
各携帯電話事業者の基地局設備から共用設備を経由して、地下空間、トンネル内などに設置された光ケーブルの先に、アンテナを一定距離ごとに設置し、連続したエリアを構築。 |
LINEMO地下鉄、地下街で電波良くするための対策
電波が届きやすい場所を探す
地下街の入り口やエレベーター付近、吹き抜けのある場所など、比較的電波が届きやすいエリアを選んでLINEMOを使うことで通信が安定しやすくなります。
また、壁際や狭い通路では電波が届きにくい傾向があるため、できるだけ開けた場所を選びましょう。
最終手段は地上へ移動する
地下など電波の悪い場所にいる場合、地上へ移動するのが最も簡単な解決策です。地下は電波が届きにくく、地上へ出ることで屋外からの電波を直接受信しやすくなります。
地上へ移動しても電波が悪い場合は、窓際へ移動します。
地上が混雑している場合は、人が少ない場所に移動したりすると電波状況が良くなる可能性があります。
特に、地下は場所によっては電波がほとんど届かないこともあります。地下内で移動して電波が改善されない場合は、地上へ出るのが最適解です。
地上と地下の間に使われているコンクリートや金属などは電波を反射・吸収するので、LINEMOに限らず他社回線でも圏外になりがちです。
ただし、高い場所に行けばいいというものではなく、高層階も電波が弱いので注意しましょう。
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